12:一人の時間

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 えっと、……  一人の時間か。  陸は本を読んでいた。私は何をしよう? 本……、負けらんない。同じじゃダメだ。  とりあえず、着替えて外に行こう。  足首をクルクル回す。うん、もう大丈夫。ちょっとの違和感は庇って歩いていたから。  今日は歩こう。  だって、夏休みには地平線を見に行くんだものね。草原を歩くんだもん。 「よし!」  外は、暑い。 「そうだ、日傘を買おう」  川沿いを歩く、ゆっくりと。照りつける陽射しがきつい。  久しぶりに一人でここを歩く。陽射しはきついけど、見える景色はキラキラしていて心が軽い。  もう、ここを歩いても苦しくない。……わけない。  ただ、疼く胸の痛みは、私を不安定にはさせない。 .
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