12:一人の時間

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「やっぱり、浴衣うなじって……くすぐります?」  バーテンさんに確認。 「まあね、男なら皆そうじゃないかな。……俺は、好きな女性のしか反応しないけどね」  さらーっと、さらーっと、投下しちゃってる。 「のんちゃん、この人の言葉はね、本当にそのまんまなんだ」  先輩は嬉しそうに言う。 「でも、……反応って、プッ、デパートで言う言葉じゃないわ」  先輩とバーテンさんが、笑い合う。  素敵。  率直にそう思う。 「真っ直ぐな言葉、言えるようになってね、のんちゃんも」  流石先輩。頑張ってとは言わない。 「はい! 今日は一人の時間練習なんです。一人で過ごす時間を、……越えるんです」  うーん、なんかおかしい言葉だな。 「のんちゃん、"一人の時間練習"って変な表現よ。それに"一人の時間を越える"って言うのもね」 .
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