13:隠れていた当たり前

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「さ、シャワー浴びてきたら?」 「おお、先に俺がシャワーするぞお! 聡史はクラブの手入れして待ってろ」  玄関に届く大声で父さんは言った。 「了解! のりこ、手伝え!」  はい? 私、餃子の手伝いあるんですけど。チラリと母さんを見ると、笑っている。 「後、10個ぐらいだから聡史の手伝ってあげて」 「わかった」  手を洗って、玄関に行く。 「さとにい、おかえり」 「いや、おかえりはのりこの方だろ」  さとにいも相変わらずだな。 「うん、ただいま」 「のりこは父さんのクラブ拭いてくれ。使ったのは二本だけ。これとこいつ」  全部持ってくことないのに。父さんも厳しいな。 「ゴルフ場まわる練習だって、全部持たされたわけ。厳しいよな」  同じこと思ってる。思わず、笑っちゃう。 「愛のムチだね」 .
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