13:隠れていた当たり前

8/19

157人が本棚に入れています
本棚に追加
/436ページ
「餃子出来たわよ」  美味しい匂いともに、母さんが入って来たことで、私は息を吐けた。  まだまだだ。  でも伝えなきゃいけない。 「お、やった。ナイスタイミング、俺!」  さとにいも茶の間に登場。 「のりちゃん、ご飯もう食べる?」  この場から離れたくて、 「うん、手伝う」  母さんと一緒に台所に逃げた。 「スープも中華よ。鶏ガラスープね」  母さんはご飯を盛る。私はスープを用意した。お箸やら色々持って茶の間に戻る。  頑張れ、私! 「いただきます」  父さんとさとにいは、すでに餃子を何個か食べていた。  テーブルに並んだ餃子の量……  大食い大会だろうか? 「あなた、30個冷蔵庫のチルドに入れてあるわ」 「おお、ラストは羽根焼きだ」  いつもの食卓。ほんの数ヵ月前は、私もこの中にいた。 「相変わらずだね」  ポロリとそう溢れた。 .
/436ページ

最初のコメントを投稿しよう!

157人が本棚に入れています
本棚に追加