13:隠れていた当たり前

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「じゃあね」  玄関を出る。手には引き出物バッグ……  隣にはさとにい。 「さ、行くぞ。それ、後部座席に置いとけよ」 「はーい」  引き出物バッグを後部座席に置いて、助手席に乗る。  さとにいがマンションまで送ってくれる。 「途中コンビニ寄ろうぜ」  どうせデザートだろうな。さとにいは食後に甘い物派だ。父さんはタバコだけど。 「いいよお、でも私は車に乗ってるね」  お腹を擦る。食べ過ぎた。 「食べ過ぎて、動きたくねえんだろ?」  ニッヒッヒって笑うさとにいの顔。 「だって、羽根美味しいからさ」 「まあな」  ゆっくり発車する。走ってすぐのコンビニに到着。3分も経ってない。 「じゃ、ちょい待っとけ」  さとにいを目で追いかける。やっぱり、デザートエリアに一直線。  視線をずらす。コンビニ横の公園を眺める。  海とよく来た公園を。 .
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