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やっぱりまだ苦しい。不安定にはならないけど、過去の私が脳裏に浮かぶ。
今日は何度苦笑しているんだろう。
ガチャ
「のりこ、これ飲め」
さとにいが戻ってきた。出されたそれは、黒ウーロン。
「ありがとん」
「どういたしましてん」
さとにいは、どら焼を買ってきた。運転しながら食べれるからだって。
で、出発してすぐにさとにいは、どら焼を平らげた。
「さてと、のりこ、ちょっと寄り道してかねえか?」
「あ、なんか用事なの? 私、駅に降ろしてくれたらいいよ」
「んにゃ、違う。少し話さねえか?」
「……」
きっと海のことだ。どう答えればいい? どう話せばいい?
「ちょっと遠回りするだけだって。ちょっとした昔話な」
「……わかった」
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