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「なあ、のりこ。海はずっとお前の傍にいた。じゃあ、陸はどうだった? お前が転んだり落ちたりした時、陸はどうしてた?」
陸は……?
「覚えてない。何でだろ?」
「正解」
なんで正解? 覚えていなくて正解なの?
「あれ? 私、ちゃんと三人で遊んでたよ。なんで?」
さとにいは車を停めた。
「降りようぜ」
さとにいが連れてきた場所は、郊外の町を見下ろせる高台。
「さとにい、教えて?」
「海は、のりこの傍にいた。陸は、大人を呼びに走った」
ズトンと落ちる。
しっくりしすぎて放心した。
さとにいの声が放たれた心に、直に染み込んでくる。
「陸はいつも俺や母さんを呼びに来てた。俺も母さんも居ないときはさ、隣近所の人。それでも居ねえときは知ってる人を捜して走り回る」
海はずっと私といた。陸は……
「低学年の子供が、一人でな」
私と海は二人。陸は……
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