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いつもの場所に向かう。
川沿いのベンチ。
雨だから、人は全くいない。
濡れたベンチに視線を移す。
頭の中では『私は大丈夫』が繰り返される。
雨は小雨過ぎて、傘に音をもたらさない。静かで綺麗過ぎる景色。
だから、私が浮き立つ。
私の内なる部分が、静かで綺麗過ぎる景色とは真逆過ぎるから。
この景色に居てはいけない存在のようで、……私はその場を離れた。
橋の下で踞る。
少し離れた所にさっきのベンチ。
「やっぱり、私が居なくて正解……」
その静かで綺麗過ぎる景色に呟いた。
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