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「いちごちゃん。こっちこっち。」
図書館の学習室に呼び出された私。
「依ちゃん、お待たせ。」
あたしは、なぜか遊歩君の幼馴染の依ちゃんに懐かれてしまった。
「いちごちゃん受験勉強進んでる?」
「まあまあかなあ、そんな高いところ目指してないから。
いいなあ、歯科衛生士は結構倍率高いんだよね専門なのに。」
「理数得意だって聞いたから教えてほしくて。」
「遊歩君に教えてもらえば?」
「だめだめ、あいつはサッカ-馬鹿だから。」
「今のとこ清風に通ういちごちゃんが
一番知り合いで頭いい人。」
「そんな、あとで失敗したって言っても知らないよ~
でも、いいよ、人に教えると勉強になるし。
何処?」
「もう、あっちもこっちもで~。」
「ああ、ここね公式に代入して……」
依ちゃんが解いている間。
私は小論文用の参考書を探す。
何冊か参考になりそうな本を見つけて本を持って
学習室へ戻る途中声を掛けられる。
「小畑さん。」
誰?
と眉をひそめると
「覚えてない?
同中の村主建(すぐり たつる)」
「ごめん、あたしあんま物覚え良くなくって。」
「そう、忘れちゃったんだ?
僕はすぐ判ったのに、だって……」
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