第2章 過去の事件

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「いちごちゃん。こっちこっち。」 図書館の学習室に呼び出された私。 「依ちゃん、お待たせ。」 あたしは、なぜか遊歩君の幼馴染の依ちゃんに懐かれてしまった。 「いちごちゃん受験勉強進んでる?」 「まあまあかなあ、そんな高いところ目指してないから。  いいなあ、歯科衛生士は結構倍率高いんだよね専門なのに。」 「理数得意だって聞いたから教えてほしくて。」 「遊歩君に教えてもらえば?」 「だめだめ、あいつはサッカ-馬鹿だから。」 「今のとこ清風に通ういちごちゃんが  一番知り合いで頭いい人。」 「そんな、あとで失敗したって言っても知らないよ~ でも、いいよ、人に教えると勉強になるし。 何処?」 「もう、あっちもこっちもで~。」 「ああ、ここね公式に代入して……」 依ちゃんが解いている間。 私は小論文用の参考書を探す。 何冊か参考になりそうな本を見つけて本を持って 学習室へ戻る途中声を掛けられる。 「小畑さん。」 誰? と眉をひそめると 「覚えてない?  同中の村主建(すぐり たつる)」 「ごめん、あたしあんま物覚え良くなくって。」 「そう、忘れちゃったんだ?  僕はすぐ判ったのに、だって……」
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