第2章 過去の事件

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足はガクガク震えていた。 たぶんちゃんと歩けてない。 まだこっちを見てるだろうか 怖くて振り向くこともできない。 なぜ声を掛けてきたの? 眼鏡の奥であたしの体全体に落とした目には悪意は無かった。 見てるよ、知ってるよ。 そういいたいのかな。 背筋から恐怖と不安感が体中に満ちてくる。 今も何処からか見られている? たぶんきっと。 (ほんとうにともだち?) きっと確認しているにちがいない。 図書館の通路が何十メートルもあるみたいに、 長くて遠い。 誰か--------- 助けて-------- 水から出された魚のようにパクパクと 酸素が取り込めなくなる……
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