第2章 過去の事件

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遊歩君たちが引退して、 瀧たちは部の中心になり、 今まで以上に帰りが遅くなった。 いったい今日はいつ帰ってくるんだろう、 依ちゃんと遊歩君を送り出した後、 突然襲ってきた不安とあたしは戦っていた。 時計とスマフォを交互に確認しながら、 じわじわと吹き出す冷汗は、 大嫌いな怪談を聞く時の様な いやあな感じ。 そんなあたしに残されるのは、 一向に帰る様子の無い弟を 早く一人から解放されたいと、 ひたすら部屋でじっと待つことしかなかった。 ♪~ あれ? 玄関のインターフォンの音。 瀧? ううん、瀧は呼リンは決して押さない。 なぜなら、私が1人の時その音を聞くと ひどく怖がっていたのを知っているから。 宅配? ♪~♪~ いや、怖い とても出ることなんかできない。 トラウマ?っていうのはちょっとしたことで復活する。 中学生の時に受けた心の傷は、 人間不信となって私の中に積っていた。 やっと家族以外の男の人を信じられるようになったのに、 また元に戻ってしまうのかしら。 何度も押されるインターフォンの音を きかないようにベットにもぐった。 あたしはいません! お帰りください。
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