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遊歩君たちが引退して、
瀧たちは部の中心になり、
今まで以上に帰りが遅くなった。
いったい今日はいつ帰ってくるんだろう、
依ちゃんと遊歩君を送り出した後、
突然襲ってきた不安とあたしは戦っていた。
時計とスマフォを交互に確認しながら、
じわじわと吹き出す冷汗は、
大嫌いな怪談を聞く時の様な
いやあな感じ。
そんなあたしに残されるのは、
一向に帰る様子の無い弟を
早く一人から解放されたいと、
ひたすら部屋でじっと待つことしかなかった。
♪~
あれ?
玄関のインターフォンの音。
瀧?
ううん、瀧は呼リンは決して押さない。
なぜなら、私が1人の時その音を聞くと
ひどく怖がっていたのを知っているから。
宅配?
♪~♪~
いや、怖い
とても出ることなんかできない。
トラウマ?っていうのはちょっとしたことで復活する。
中学生の時に受けた心の傷は、
人間不信となって私の中に積っていた。
やっと家族以外の男の人を信じられるようになったのに、
また元に戻ってしまうのかしら。
何度も押されるインターフォンの音を
きかないようにベットにもぐった。
あたしはいません!
お帰りください。
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