第2章 過去の事件

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♪♪~ 着メロですぐに誰かわかった。 「モーリ!!」 ---いちご?大丈夫か?  下に来てる。  インターフォン鳴らしても出ないなんて、  具合悪いのか? 「モーリ!すぐっすぐ行くからっ!」 ベットからとび起きると 転がるように階段を駆け降りた。 玄関のロックを開けると、 心配そうなモーリが立っていて さっきからずっと待たせていたのがモーリだった 事が申し訳なくてひたすら謝った。 モーリはあたしをぎゅうっと抱きしめて 「ごめん、会議中でメ-ル見てなかった。    遊歩からも電話あった。  怖かっただろう?  大丈夫か?」 「うん。  心配かけてごめん。  あたし思ったより弱虫みたい……」 ジワリとにじんだ涙は、 目の奥のほうでこちんこちんに固まっていたものが、 溶けだして流れて出たようなものらしく、 出始めたら止まらなくて、 モーリのワイシャツを濡らしていった。 「とりあえず夏休みでよかった。  一人で出かけるのは控えた方がいい。  何かあったら俺と行こう。時間作るよ。」 「ううん、大丈夫。  今は気が動転してるだけ、  ごめん。心配させて。  明日にはきっといつものあたしに戻るから。」 「いちご。」 「でも、モーリ  ちょっと落ち着くまで、  お願いしてもいい?」 手に力を込めて、モーリに抱きついて ハグのおねだりをした。 ぎゅうっ モ-リが抱きしめてきた。 モーリの車の中でいつも感じるほのかな香りが、 あたしを包んで、 さっきの怖い気持ちを溶かしていく。 良かった。 モーリは怖くない。 「迷惑ばかりかけてごめんね」 今までと違う安堵が 私を落ち着かせてくれる。 「全く、  君はいじらしくて、  可愛くて、  迷惑なわけないじゃないか。  24時間守ってあげられたらいいのに。  そうしてやれない自分がもどかしいよ。」 しばらくそのまま抱きしめられていて このまま時間が止まってほしいなんて 思ってたら……
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