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彼は、登校不振生徒だった
だから、落としものも、
1年以上かかって彼の元に戻った。
落し物が戻ってから、
彼はあたしの為に必死で登校していたのだという。
あたしの為に、
どんな苦痛も我慢しようと努力していたのだという。
彼の行動はすべて、
あたしの為なのだと理由づけられていた。
そして、ついに思いを伝えた
なのに、
女神のように思っていたあたしから爆弾が落とされた。
彼の精神地図はバランスを失い
思わぬ方向へと波及した。
彼はその日を境に再び不登校になった。
スト-カ-のように
あたしの行動を監視するようになり、
そして、あたしに関係する人たちの行動もともに監視した。
最初にタ-ゲットになったのは、仲の良い友人達。
靴箱にわたしと一緒の写真が入れられ無言の圧力を掛けた。
だんだんに友達があたしを遠巻きにするようになった。
自分の周りばかり嫌なことが続くのか、
おかしいと思えなかったのは
もともと、嫌がらせみたいなものはあったから、
このことが特別なにかと繋がっているなんて、
思い当らなかった。
それほどに感覚が鈍くなんていたのだろう。
そのうちパパがタ-ゲットになり、
不倫が発覚し
ママと冷戦状態になった。
不倫なんてしたパパが悪いけど、
彼のした嫌がらせはそうやってじわじわと、
私の生活に湿潤して行った。
そしてついに
あたしは、村主君の存在に気づく事になる。
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