第3章 事件の真実

3/9
前へ
/74ページ
次へ
彼は、登校不振生徒だった だから、落としものも、 1年以上かかって彼の元に戻った。 落し物が戻ってから、 彼はあたしの為に必死で登校していたのだという。 あたしの為に、 どんな苦痛も我慢しようと努力していたのだという。 彼の行動はすべて、 あたしの為なのだと理由づけられていた。 そして、ついに思いを伝えた なのに、 女神のように思っていたあたしから爆弾が落とされた。 彼の精神地図はバランスを失い 思わぬ方向へと波及した。 彼はその日を境に再び不登校になった。 スト-カ-のように あたしの行動を監視するようになり、 そして、あたしに関係する人たちの行動もともに監視した。 最初にタ-ゲットになったのは、仲の良い友人達。 靴箱にわたしと一緒の写真が入れられ無言の圧力を掛けた。 だんだんに友達があたしを遠巻きにするようになった。 自分の周りばかり嫌なことが続くのか、 おかしいと思えなかったのは もともと、嫌がらせみたいなものはあったから、 このことが特別なにかと繋がっているなんて、 思い当らなかった。 それほどに感覚が鈍くなんていたのだろう。 そのうちパパがタ-ゲットになり、 不倫が発覚し ママと冷戦状態になった。 不倫なんてしたパパが悪いけど、 彼のした嫌がらせはそうやってじわじわと、 私の生活に湿潤して行った。 そしてついに あたしは、村主君の存在に気づく事になる。
/74ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加