第3章 事件の真実

7/9
前へ
/74ページ
次へ
  「何言ってるの?  昨日あんなに怖がってたじゃない。  逆に何かあったら困るんだから。  どんな事があったのか、  話せるならあたしたちに話しなよ。」 あたしは、 事件当時のことを、 二人に話し始めた。 話しながら、不思議だったのは、 思ったより、客観的にとらえて話していること。 5年という月日は、思ったより恐怖を風化させるには 十分な時間だったのだと感じていた。 もしかしたら思ったより、 あたしは、克服しているのかもしれない。 「----っでね、今思えば、  あたしがもっとちゃんと、  彼と向き合えば良かったのかと思ったりするんだ。」 「いちごちゃんさあ、  いつも、  色々に遠慮しすぎてるんだよ。  もしかして、一番悪いのは自分とか思ってる?  いちごちゃんは一つも悪くないじゃん。  中2でなんとも思ってない奴に告られて  優しくできる奴なんていないだろ。  そいつが悪いのはどう見たって明らかだろ。  なんで、そんなに自分を責めちゃだめだよ。」 「そうだよ、監禁までされて、  なんでまだ、自分を責めてるの。  好き勝手やって逃げてった奴に。  残って頑張ったいちごちゃんを責める資格なんかないはずだよ。      昨日気づけなかったって気にしてるけど。  忘れて当然なんだよ。  でなきゃ、生きていくの辛すぎるじゃない。」 「そうなのかなあ」
/74ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加