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「何言ってるの?
昨日あんなに怖がってたじゃない。
逆に何かあったら困るんだから。
どんな事があったのか、
話せるならあたしたちに話しなよ。」
あたしは、
事件当時のことを、
二人に話し始めた。
話しながら、不思議だったのは、
思ったより、客観的にとらえて話していること。
5年という月日は、思ったより恐怖を風化させるには
十分な時間だったのだと感じていた。
もしかしたら思ったより、
あたしは、克服しているのかもしれない。
「----っでね、今思えば、
あたしがもっとちゃんと、
彼と向き合えば良かったのかと思ったりするんだ。」
「いちごちゃんさあ、
いつも、
色々に遠慮しすぎてるんだよ。
もしかして、一番悪いのは自分とか思ってる?
いちごちゃんは一つも悪くないじゃん。
中2でなんとも思ってない奴に告られて
優しくできる奴なんていないだろ。
そいつが悪いのはどう見たって明らかだろ。
なんで、そんなに自分を責めちゃだめだよ。」
「そうだよ、監禁までされて、
なんでまだ、自分を責めてるの。
好き勝手やって逃げてった奴に。
残って頑張ったいちごちゃんを責める資格なんかないはずだよ。
昨日気づけなかったって気にしてるけど。
忘れて当然なんだよ。
でなきゃ、生きていくの辛すぎるじゃない。」
「そうなのかなあ」
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