第3章 事件の真実

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依ちゃんはあたしを抱きしめて。 「かわいそうに、  5年間も誰にも言えなかったんでしょう。  いちごちゃん、いいんだよもっとみんなに甘えて。  そんなに抱え込んでたなんて、つらかったね。」 つらかったのかあ? そうなのあたし? 依ちゃんの言葉ははあたしの張りつめていた心を溶かして、 そんなこと誰も言ってくれなかった。 そうかつらかったんだあたし。 俯いたまま 止まらない涙で依ちゃんの肩を濡らしてしまった。 あたしには、 こんな風に話せる機会がなかった。 アッキ-にも詳しいことは話せないでいた。 ある意味、弱い部分を隠してしまったところがあるから。 「兄貴にもちゃんと話してやってよね、  あの人だってきっと聞きたいと思うよ。  ホントのところ。  それに、  俺だけ知ってたら殺される。」 「二人ともありがとう。  少し気持ちが楽になったよ。」 「いい、いちごちゃんは悪くないの。分かった?」 「ありがとう依ちゃん」 「なんか悔しいなあ、  なんでそんな仲良くなってるんだよ。  さっきだって抱きしめる役は普通俺じゃん?」
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