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依ちゃんはあたしを抱きしめて。
「かわいそうに、
5年間も誰にも言えなかったんでしょう。
いちごちゃん、いいんだよもっとみんなに甘えて。
そんなに抱え込んでたなんて、つらかったね。」
つらかったのかあ?
そうなのあたし?
依ちゃんの言葉ははあたしの張りつめていた心を溶かして、
そんなこと誰も言ってくれなかった。
そうかつらかったんだあたし。
俯いたまま
止まらない涙で依ちゃんの肩を濡らしてしまった。
あたしには、
こんな風に話せる機会がなかった。
アッキ-にも詳しいことは話せないでいた。
ある意味、弱い部分を隠してしまったところがあるから。
「兄貴にもちゃんと話してやってよね、
あの人だってきっと聞きたいと思うよ。
ホントのところ。
それに、
俺だけ知ってたら殺される。」
「二人ともありがとう。
少し気持ちが楽になったよ。」
「いい、いちごちゃんは悪くないの。分かった?」
「ありがとう依ちゃん」
「なんか悔しいなあ、
なんでそんな仲良くなってるんだよ。
さっきだって抱きしめる役は普通俺じゃん?」
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