第4章 大切なこと

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夕方、モ-リがやってきた。 「いちご、このステッカ-見て。」 「わ、可愛い、いちごだね。」 「商店街、それからこの近辺の家、  このステッカ-を貼って貰うように頼んでいるところなんだ。 もう何件かお試しで貼ってもらった。  このステッカーがある家は、  何かあったら無条件でかくまって貰えるよ。  『いちごです』っていえば大丈夫だから。」 「え、な~にそれ、恥ずかしいよ。」 「名付けて、いちごでステッカ-。  防犯の家ってあるよね。  知ってても寄り難いし、その点  このステッカ-なら分かりやすいし、  助けてって言わなくても、 『いちごです』で伝われば楽だと思わない?」    子どもとか女の人とか困った時に 気軽に助けるアイテムとして、  市役所の方にも、警察の方にも、自治会にも 提案しようと思ってるんだ。  街ぐるみでどの家にもこのステッカ-貼ったら  凄く、治安のいい街になる。   どう思う。」 「どうって、  でもそれって、  あたしのために考えてくれたんでしょ?  職権乱用!」 「ははは、  いちご、おまえなあ、  社会的な発明や、  改革って言うのは  こういう些細な  小さな問題意識から始まるんだよ。  きっかけが、私的なことでも、  ちゃんと社会貢献できるならいいんと思わん?  職権乱用だけど。」
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