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夕方、モ-リがやってきた。
「いちご、このステッカ-見て。」
「わ、可愛い、いちごだね。」
「商店街、それからこの近辺の家、
このステッカ-を貼って貰うように頼んでいるところなんだ。
もう何件かお試しで貼ってもらった。
このステッカーがある家は、
何かあったら無条件でかくまって貰えるよ。
『いちごです』っていえば大丈夫だから。」
「え、な~にそれ、恥ずかしいよ。」
「名付けて、いちごでステッカ-。
防犯の家ってあるよね。
知ってても寄り難いし、その点
このステッカ-なら分かりやすいし、
助けてって言わなくても、
『いちごです』で伝われば楽だと思わない?」
子どもとか女の人とか困った時に
気軽に助けるアイテムとして、
市役所の方にも、警察の方にも、自治会にも
提案しようと思ってるんだ。
街ぐるみでどの家にもこのステッカ-貼ったら
凄く、治安のいい街になる。
どう思う。」
「どうって、
でもそれって、
あたしのために考えてくれたんでしょ?
職権乱用!」
「ははは、
いちご、おまえなあ、
社会的な発明や、
改革って言うのは
こういう些細な
小さな問題意識から始まるんだよ。
きっかけが、私的なことでも、
ちゃんと社会貢献できるならいいんと思わん?
職権乱用だけど。」
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