第2章

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そう言ったらやっと興奮がとけたのか、肩から手を離してくれた。 「で、誰よ?」 やっと解放されたと思ったのもつかの間。 次は顔を近付けてきて、だ。 「わかった、わかったって。 もともと言うつもりだったし。 ってゆーか、近い!!!!」 なんとか、距離を取ろうと椅子に座ったまま、体を反らさせる。 サキは、もう目をキラキラと輝かせてこちらを見つめている。 なんて、変わり身のはやい…。 「コホンッ。」 ひとつ、咳き込んでから雰囲気作りのために、コソコソと話すことにした。 「その、ね。 好きな人は…。」 「…うん、うん。」 ここで、ちょっと深呼吸。 ヤバイ、緊張するな。 こんなんで告白とかできるのかな? なんて、考えてみたり。。。 とりあえず、話を戻そう。 「隣のクラスの…」 「隣のクラス? えっと、うちらが7組だから8組?」 「うん、そう。 8組の、浅田 尚(ナオ)」 「あさだ、なお?」 誰?それ。というようにサキが首を傾げる。そりゃ、そうかな。 地味なほうだしね。 「うん、そうだよ。」 自分でも分かるほどニヤけながら答えてたと思う。 「…ねぇ。」 さっきまであんなにテンションあがってたのに、なんかひきつった笑顔でサキが、 「その人、かっこいいの?」 って、、、 「かっこいいよ?!?!?」 「ちょっ、やめて、立たないで、叫ばないで、耳痛いから、注目あびるようなことしないで。」 「そんなに一気に注文つけないでくださーーい。」 ついでに、あっかんべーってつけてやった。 あんなに注文するからだよ。 ニヒヒッって笑ってやった。 「ミノ、あんたのことなんてどうでもいいけど、」 「うん、知ってる。」 「うん、キモい。 あと、みんな引いてる。」 そんなわけ…って思った私、甘かったな。 みんな、顔に出すぎだよ、私が可愛そうじゃないか。 サキは、ざまぁって顔。 イラつくなぁ、その顔ォォォ…!!
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