紫陽花

4/19
前へ
/92ページ
次へ
「パールって名前?」 彼女に聞くとパールが「ゥオン」と返事をし俺らは顔を合わせて笑った。 「そっかパールか。いい名前だな。よーしよし」 耳の下や首元をムツゴロウさんの如く撫でてやると、パールは気持ちよさげに目をつむり身を任せてきた。 「犬、好きですか?」 「うん。でもずっと集合住宅だったから飼えなかった」 ひとしきり撫でてやると満足げな顔をしたパール。 そして今度は散歩をしたいと言うように彼女の持つリードを引っ張り出した。 「ちょっと待ってよ」 彼女は俺に頭をペコリとさげ、パールに引っ張られ走り出し小さくなっていった。
/92ページ

最初のコメントを投稿しよう!

93人が本棚に入れています
本棚に追加