君とこの街で

『ゥオン』

そう告白すると彼女は悲しそうな顔でうつ向いた。

「過去形……なんだね」

「ち、違っ……！」

その言葉に首を思いっきり横にふる。

「あの時から今でもずっと好きだ」

すると彼女は嬉しそうに笑った。

「ありがとう。あたしも好き。あゆむくんがずっと……」

言い終わらないうちに彼女の腕を引っ張り抱き寄せ重ねた唇は、あの時と違ってとても温かかった。

「あゆむくん、温かいね」

そんな彼女の言葉に思わずフフっと笑ってしまった。