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先生に渡された書類をパソコンに打ち込む単純作業。それで食い扶持(ぶち)を稼いでいる。 カタカタとキーボードをタッチする時のカタイ音だけが響く。先生はタッチパネル搭載の大画面PCで何かに没頭中。やたらと静かすぎやしないだろうか。 一方此方のパソは今やサービス自体が終わりつつある化石である。 セキュリティとか大丈夫か? などと問うより先に、妙な静けさに対しての疑問、いや、確信をぶつけてみる。 「フラグ立ちました?」 「お、わかる?やばいシーンなうy…」 「人に仕事させといて何してんだアンタ!?」 「敢えてエロい奴をチョイスしてやった!後悔も反省もしていないっ!(キリッ!」 「今までしたこともないでしょうがっ!」 段々頭が痛くなってきた。 「…ちょっと、外の空気吸ってきます」 「いてらー」 ドアを締める直前、チラリと映ったのは、再び腐女子大喜びのゲームに没頭し始めた大学教授の姿だった。
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