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中心に位置する樹齢数百年はありそうな神木が生えていて、今にも千切れそうな注連縄が下部にぶら下がっていた。
そしてそれらを囲むように、何件かの古い家が建っていた。
まず一件目は入り口から一番近い場所にある二階建ての家で、がたつ
いた木の引き戸の側に真っ黒になった表札のようなものが掛けられて
いて、かろうじて一番下の「島」という字は読めたが、その上の文字
は潰れていて全く読めなかった。
中は酷いアンモニア臭がして、鼻を押さえずにはいられなかった。
玄関のすぐ側にあった居間と思われる場所には古風なちゃぶ台があ
り、その上に何かが置かれていた。
腐った畳を踏み抜かないようそれに近づいて確かめてみると、意外な
ことに、二十年ほど前に流行った携帯ゲーム機だった。
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