素っ気ない猫

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三千世界の鴉を殺し……。 古い古い昔の詩が 頭をよぎった。 「そんな朝が来たら……」 不意に猫が 何もない宙を じっと睨みつけながら 低い声で呟いた。 「奈々緒?」 けれど 出掛けた言葉を 飲みこむようにして 猫は顔をしかめるだけだった。
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