素っ気ない猫

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惜しいとは思わない。 猫が俺だけの ものになるのなら 金などいくらでも注ぐ。 けれど残念ながら あの猫は 人に飼われるような 媚びる猫ではなかった。 あくまで野良。 俺以外にも すり寄る相手のいる 節操のない雌。 金で飼えれば どんなに楽か……。 まだ猫の 温もりと香りを わずかに残すベッドに戻り、 長く煙を吐き出した。
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