素っ気ない猫
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「……温人さん」 「なに?」 笑顔で返事をしたが 猫は呆れた目をして するりと 俺の腕から逃げ出した。 「帰る」 上半身を起こし、 素っ気なく言った猫。 ベッドから降りようとするので 慌てて細い腕を取った。 なんて頼りない いまにも折れそうな腕。 「それはダメ」
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