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外に出された大五郎は何が何だか分からなかったが、チャンスだと思い、村の入口を見た。しかし、その入口にはまだ二人の見張り役がいた。
大五郎は、しばし考えた。あの老婆の言葉を思い出す。とりあえず、老婆は鬼と潤平の二人と合流することを容認したといえる。しかし、「他の村のもんはお主らを邪魔するじゃろう」らしきことを言っていたことも思い出した。
ここで、分かったのはこの村の住民は、老婆の統括の元、動いているのではなく、どうやらある程度の自由がきくようだ。
ということは、老婆、まさる、平八の三人以外は、注意したほうがいいだろう。なら、やはり警戒しつつ、進むしかない。
大五郎は、まさるに追われ、逃げるのに必死で忘れていたが、リュックのなかに電灯が入っていることに気付いた。大五郎はリュックの中から、電灯を取り出す。そして、まだこの村で行っていない場所を記憶のかぎりにたどり、大五郎は前へと足を進める。
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