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鬼のいる学校には旧校舎と新校舎の両方があり、新校舎は一部のみ完成というところだ。なので、鬼たちの授業は旧校舎を主に行われるが、パソコンなどを使用した授業は新校舎の設備が整っており、そこで行われている。しかし、それは必ず授業として組み込まれているわけではないので、そこを使えるか使えないかは担任次第である。
鬼のいるクラスの担任哲男先生は、学級活動の時間などで特に取り扱うテーマがないときには、そのパソコンがある教室を使わせてくれた。インターネットも使用でき、その時間はとても楽しかった。そして、さきほど哲男先生に呼ばれた鬼、徹夜、慎一の三人はそのパソコンが完備されている新校舎へと向かっていた。場違い、空気読めないにも程があるのだが、この状況で鬼は
(もしかして、三人だけでパソコン授業!?)
と思い、ワクワクしていた。そう勘違いした理由の1つとして、さっきいじめを受けていたことを哲男先生が知ったことにもある。つまり、これから鬼がこの二人にいじめられることはないことを自覚していたからだ。そうこう思っているうちにパソコンがある教室へと着いたので、鬼は真っ先にそこへ入った。
「鬼、こっちじゃない。隣だ。」
と哲男先生に鬼は言われ、パソコンのある教室から出た。
隣の教室へ入ると、そこは机も何もなく、まだ空の教室だった。そして、使われていない新築の独特のにおいがした。そのとき、哲男先生が言った。
「よし、おまえら三人カーテンを閉めろ。電気はつけるから、心配するな。」
言われたとおりに鬼、徹夜、慎一の三人はカーテンを閉めた。カーテンは遮光カーテンになっているようで、日差しが降り注いでいたのに、その光すら見えない。
「鬼、お前、この二人のうちどっちにたくさんいじめられた? どっちのほうに恨みがある?」
鬼に答えは決まっていた。慎一は、便乗していじめているだけだったので、いじめの先導は夜具徹夜だ。鬼は迷わず言った。
「徹夜にある…」
「よし! それじゃあ、俺は慎一をやろう。慎一ここへ来い!」
鬼は何がはじまるのか分かる気がした。鬼は、クラスのみんながいないからもう笑いを押さえるのをやめた。慎一をみて鬼は笑った。慎一は、体が震え、鼻水まで垂らして泣いていた。そして、鬼の笑いをみると、よけいに体が震え、目が見開いた。
(慎一、死んじゃえ。)
鬼は小声で呟いた。
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