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その額にしこりのある子は、幼稚園にはいり、卒園した。そして、小学校へと入学した。
その子が入学した小学校は、色々な幼稚園の枠組みにあるところで、全校生徒1000名を越えるマンモス校。幼稚園の頃は3クラスしかなく、全員合わせても100名足らずで、いじめっ子もおらず、みんな仲良しで楽しかった。しかし、マンモス校の人数となると、必ずいじめっ子や意地悪な子は、一人はいるものである。しかも、なぜか高い確率で1クラスに1人はいるから不思議だ。もちろん、しこりのある子のクラスもその例外ではない。
「なあ、おまえ、なんで、たんこぶあんの?しかも、二つ。」
大きな声でからかうように言われた。しかも、クラスのみんなに聞こえるような大きい声で。
「おまえ、鬼なの? 鬼だろ?」
また、笑い声がクラス中に響いた。恥ずかしく、怒りで頭がおかしくなってしまいそうだった。
「おまえ、名前、鬼。よし、今日からおまえ、鬼だからな。」
その日から、額にしこりのある子は「鬼」というあだ名になった。くやしくて、くやしくてたまらなかったが、ただ我慢するしかなかった。そして、あだ名がつけられてすぐにいじめがはじまった。いじめをしたのは、全員でなく、そのあだ名をつけたやつと、その友達の二人だった。
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