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鬼「が、骸骨だ………」
潤平「つ、作り物に決まってるよ………」
鬼「違う! 本物だよっ!!」
鬼は急に怒ったような声を出した。
潤平「鬼、どうしたの? なに、急に怒ってるのさ? 馬鹿なの!?」
潤平は、急に鬼が怒り出したので、何がなんだか分からず、戸惑っているようだ。
鬼「なあ、潤平。いま気づいたんだけどさ。俺らは、謎の村の洞窟にいるのに、何でこんなに楽しんでるんだ? 洞窟はいった途端、ゲームの世界と勘違いでもしてるみたいに、やけにはしゃぎすぎだよ。もしかしたら、最悪、殺されるかもしれない。謎の村だから、最初はそうなるんじゃないかと怖かった。」
潤平「うん。そうだね。それ、思い出したら、急に怖くなってきたよ。あっ!」
鬼「どうしたの?」
潤平「そういえば、大五郎もこの洞窟にいるんじゃないかって話していたのに、大五郎どこにもいないじゃん!」
鬼「あっ!そうだ!!」
鬼も潤平も、ようやく洞窟の好奇心により、忘れていた大五郎のことを思い出した。
潤平「鬼、どうする? 引き返す?」
鬼「いや。もう少し先に進もうよ。大五郎も先に進んでいるかもしれないし、もしかしたら………」
潤平「もしかしたら? なに? もしかしたらなんなのさ?」
鬼「骸骨もあったし、もしかしたら、まだ誰も知らない重要なことがあるんじゃないかと思って。」
潤平「でも、危険だよ………」
潤平の声は少し震えている。
鬼「でも、奥に大五郎がいたら? いなかったとしても奥まで行って引き返せばいいだけだよ。多分、そんなに長い洞窟って、たくさんあるわけないだろうし。」
潤平「分かった。じゃあ、さっさと奥に行っちゃって、引き返そう!」
二人はそう言うとさきほどよりはや歩きで奥へと進む。一刻もはやく大五郎と合流しなければ不安でたまらないのだ。大五郎がこの奥にいることを信じ、そして、合流できることを祈りながら二人は早足で歩いていく。
二人が早足で歩いていくのを見ている人物。まだ、蛇を何匹か体にまとわりつかせている。
(引き返せばいいのに。でも、ドクロをみて、奥へ進む決断をできる角がある子は大した勇気かな。まあ、無謀かもしれないけど。)
そう思いながら、その人物は二人のあとを追うように、歩いていった。
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