第1章

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鬼は潤平の薬を飲んで15分後あたりから、どんどん落ち着いてきた。鬼は、潤平に感謝した。混乱しすぎて痛くなった頭もしっかり治っている。 鬼「ありがとう、潤平。たすかったよ。でも、薬もってるなんてすごいね。」 潤平「鬼の頭痛治って安心したよ。俺、さっきも言ったけど、頭痛持ちだから、できる限り薬を持ち歩くようにしているんだ。」 鬼「そうなんだ。ほんとに助かったよ、ありがとう。あっ! 潤平の分の薬はちゃんと残ってる?」 潤平「あるよあるよ。ちゃんといつも多目にもっているから大丈夫。気にしないで。」 ふたりは少し、会話をしてあと、目の前にある白骨の山を見た。 鬼「ここで、たくさん人が死んだのかな?」 潤平「もしかしてさ、戦争中の防空壕か何かかな?」 鬼「かもしれないね。こんなに骨があるなんて、普通じゃないよ。」 潤平「そういえばさ、おっきい骸骨もあれば、小さい骸骨もあるよね?」 鬼「うん。子どもと大人の骨があるのかな?」 潤平「そういえばさ、鬼のばあちゃんの話さ。あれって、鬼のばあちゃんが小さいときに行方不明になった三人ってもしかして………」 潤平は、そこで話を途切ってしまったが、言いたいことは分かった。それは鬼も同じだ。 「もしかしたら、その三人は殺されてしまったんじゃないか?」 そう思っていたのである。 そのとき、鬼はあることに気づいた。白骨の山だけの目をとられ、気付かなかったが、行き止まりではなく、よく見ると左側へ道は続いている。鬼がそこを指差すと、潤平も道がつづいていることに気付いたようだ。 鬼「潤平、行ってみよう。」 潤平「うん、ここまできたんだしね!」 二人はそういうと、まだ続いている道をまっすぐ進んでいった。 二人のあとを追う人物は、その様子をしっかり見ていた。 (あーあー。そのまま引き返せばいいのに。ほんと、馬鹿な子たち。まあ、馬鹿な子がどうなろうが興味なんかないからいっかな♪) その人物は、蛇を相変わらずまといながら、二人の進んだ先へ、二人と同じようについていった。
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