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鬼と潤平は、まだ続く道をひたすらと歩く。いつまで続くかわからないが、何か発見があること、大五郎がいることを祈りながら二人は歩き続けた。そして、ようやく行き止まりのような壁がみえた。
鬼「そろそろ、行き止まりみたいだ。もう少しみたいだね。」
潤平「うん。でも、奥まで来て、何もないみたいだし、大五郎はいなかったね………」
それはたしかだった。奥まで行けば、何か発見があり、それがなくても、大五郎と合流できることを信じていたが、結局、大五郎と合流することもなかった。
そして、何の発見もなかった。なので、二人は無駄足と考えざるをえなかった。
そして、二人は奥まで来た。
二人は突き当たった壁を見るが、何も変わったところはないように見える。そして、電灯で照らしてみたが、何も変化はない。ゴツゴツとした岩のような壁がむき出しになっている。
潤平「何もないね………」
鬼「うん。何もないし、大五郎もいない………でも、奥まできたから見落としがないようにしっかり見てみよう!」
二人のあとをついてきた人物は、じっと二人の様子をみている。
(あの子たち、あれをみつけなきゃいいけど。まあ、見つけたら見つけたで面白くなるからいいかな。)
その人物は、二人の行動を楽しむようにみている。そのとき、二人の行動に変化があった。
鬼「あれ、何かな?」
潤平「スイッチ? でも、何のスイッチだろ?」
鬼「ねぇ。こんなところにスイッチがあるとか、おかしいよね。ただの洞窟なのに。」
二人はしばし、そのスイッチをどうするか考えた。
鬼「あのさ。ふざけてるわけじゃないけどさ、ゲームとかでも、こんなときスイッチ押したら新しい道できたりとか、とりあえず行き詰まっていたのが、解決すること多いよね。」
潤平「う、うん。そうだけど…」
鬼「しかもさ、あ。まず、このスイッチ、潤平よく見て。何か気付かない?」
潤平「スイッチがひとつだけしかないこと? エレベーターだったら上に行くボタンと下に行くボタンの二つあるし。」
鬼「ううん。そうじゃなくて、このボタン、使われてなかったらホコリとかかぶってるはずだよね? このボタンは、ホコリないんだよね。」
潤平「ほんとだ。じゃあ、誰か押した人がいるってこと!?」
潤平の質問に鬼はコクリとうなづいた。
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