第1章

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鬼は毎年、離任式の日はドキドキしてたまらなかった。ただ、そのドキドキは好きな先生がいなくなるかもという不安や、嫌いな先生がいなくなるかもという期待からの類いではない。鬼のいる学校では毎年、離任式の日に新クラスも発表された。つまり、鬼のいうドキドキとは夜具徹夜と尾長慎一とまた1年生みたいに同じクラスになるのではないかとの不安からである。 離任式が終わり、新クラスが先生たちによって貼り出された。みんなワイワイその貼り出された紙のまえではしゃいでいる。鬼もその中で、自分の名前を探した。 (あった! 3組だ!) だが、その名前をみつけ、自分の名前の前後をみて、真っ青になった。マンモス校でクラスが多いにも関わらず、夜具徹夜と尾長慎一と同じクラス。しかも鬼の前後の出席番号にその二人はいたのである。
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