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老婆「ふむ。村のことをしっとるわけじゃなさそうじゃな。」
平八「だが、ほんとのこといっとるとはかぎらんぞ。」
まさる「そうじゃ。生かして帰すわけにはいかんじゃろ。」
老婆「まあ、待て。こやつが何も知らなかったらたしかに生かして帰してもええと。じゃが、平八の言うとおり、うそをついているかもしれん。じゃからチャンスをやろう。」
老婆はそのまま話をつづけた。
「小僧。お主の仲間を探すとええ。だが、その間、他の村のもんがお主に何をするかは分からん。それは、干渉できることではないんでのぉ。」
老婆は続ける。
「小僧。お主は、はぐれた仲間をみつけ、合流せい。そして、友達同士、知恵を絞り、この村から出るとええ。じゃが、他の村のもんはお主らを邪魔するじゃろう。その苦難を乗り越え、この村から出るとええ。この村の秘密を知っていたら生かしてはおけんが、秘密を知らないお主らに対する配慮じゃ。小僧、行くがええ。平八、まさる 小僧を外まで連れていってやりんしゃい。」
大五郎は、まさると平八に連れられ、ドアのまえに立った。
老婆「そうそう。小僧、この村はお主らは、なんと呼んどる?」
大五郎「な、謎の村って僕達は呼んでます。」
老婆「カッカッカ。ええ、響きじゃの。謎の村か。ええ、響きじゃ。」
そして、平八とまさるに背中を押され、大五郎は外へ出た。そして、いかにも大五郎が邪魔だといわんばかりに、ゴンと、ドアを閉められた。
まさる「ええんか、母ちゃん?」
平八「もし、秘密を知って生きて出られたら厄介じゃぜよ。」
老婆「心配せんでええ。連絡によると、小僧の連れは、扉まで行ったようじゃ。あやつらのいい実験材料になるじゃろ?」
まさる「あの新参者の実験か?」
平八「新参者といっても、この村に馴染んで十年以上なるからな。大した奴等じゃ。奴等は頼りになる。」
まさる「やつらがこの村の最後の移住者じゃな。そのあとは誰もきーへんもんな。」
老婆「とりあえず、わしらは楽しませてもらうだけじゃ。」
老婆がそういうと、まさる、平八は老婆とともに部屋の奥へと消えていった。
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