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夜具徹夜と尾長慎一はおそるおそる時間をかけ、先生のところへ歩いた。鬼はわらっていないつもりでも、自然と笑みがこぼれていた。
「ぐずぐずくるな! さっさと歩け!!」
そう言われると、夜具徹夜と尾長慎一はサササッと先生のもとへ歩き、言われたとおり先生の前へ立った。
「お前ら、何でここへ立たされているか分かるか?」
「………」
夜具徹夜と尾長慎一はうつむいたままで、なにも言わない。尾長慎一に関しては何も言わないというよりも、すでに泣いておりそれどころではない。
(泣いてやんの。ダサッ。)
鬼は心の中でそう言い笑っていた。
「お前らはCグループだったな。いじめに関しての意見もう一度言え。慎一は泣いているから、徹夜お前言ってみろ。」
「い、いじめは………」
「声が小さいっ!! なめてんのかっ!!大きい声で!しっかりと!元気よく!胸を張って!!しっかり声を出せ!」
そう言われると、徹夜は泣きそうになるのを我慢しながら、声を絞りだし
「いじめは良くない。いじめられた人はいじめた人にやり返す………」
「そうだよな! お前たちグループは、お前たちグループの意見! しっかり、責任もてよ! よし、お前たちの呼び名で呼ぶぞ! 鬼! すまんが、お前もこっちにきてくれ。」
(き、きた! やっぱり!!)
鬼はそう思い、先生の前へ歩いていった。
「すまんな。こいつらが呼んでいる呼び名で呼ばせてもらうぞ。鬼。鬼とよばれてお前はどうなんだ?」
「な、慣れました。」
「それじゃあ、名前じゃなく、鬼という名前で呼ばれてどうだ? 傷つかないの?」
「それも慣れたから。」
「じゃあ、鬼と呼ばれることは問題ないんだな?」
「はい。」
そう返事したのは、鬼の本音だった。小学1年の頃から、そう呼ばれていたので馴れてしまっていたこともあり、むしろ名前で呼ばれるのに違和感があった。
「それじゃあ、鬼と呼ばれていることはいいとしよう。本題にうつる。」
鬼はドキドキしていた。先生が何を言おうとしているかなんとなくわかったからだ。そして、先生は口を開いた。
「お前は、夜具徹夜と尾長慎一にいじめられているが、このままでいいのか?」
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