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雅之side ーーーーーーーーーーーーーーー ベッドの上で横たわる歩を見て、思わず息を呑んだ。 「歩…?」 声をかけるとピクリと動いた彼の肩。 どうやら意識はあるらしい だけど扉の前から動くことができなかった。 全裸と、少し乱れたベッド。 この空間で、なにがあったかなんて一目瞭然。 (なんで、俺以外に触れさせたの…?) 分かっている、こんな気持ちは理不尽だって なのに無意識のうちに力の入る拳と怒りの感情が湧き上がってくるのを感じる。 歩を殴っても首を絞めても気が済まないなら、春日を殺してしまえばいい。 そうだろ? 歩を見つけた時から、彼は感情のはけ口であり、性に溺れるΩで、俺は支配者。 「もうちょっと、賢いと思ったんだけどなぁ」 どうせ手をつけたのは春日の手下か何かだろう。此処にいるのは歩だけだけど、誰にヤられたのか問いただせばいい。 「あぁ、そうか。 元々、歩はヤれたら誰でもよかったっけ」 そうだ。歩には最初からセフレ野郎がいたじゃないか。 好き好んで野郎に股を開くような、Ωだったことを忘れていた。 だから、俺が悪いんじゃない。 もう二度と"おいた"ができないよう、歩自身にも反省してもらおう。 俺のモノだと理解できて、いないのなら。
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