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幼き頃、信長に拾われてからずっと共に過ごしてきた。周りの人達も桜を可愛がって育てた。
そんな中で桜は一人の男性に恋心を抱く。その人の名は明智光秀(アケチ ミツヒデ)。
十年前、桜が八歳の頃。
「うわぁぁん」
桜は泣いていた。
「どうかしましたか?」
通りかかった一人の男性が声をかける。
「鈴が……鈴が」
「鈴とは、これのことですか?さっき拾いましたよ」
男性はそう言って桜に金色の鈴を渡す。
桜は信長に拾われたと有名だ。名前程度なら皆が必然的に知っている。
そしてそれ以来、桜は光秀によく遊んでもらっていた。歌詠みの文の交換をしたりもしていた。
そんな中で光秀への想いの芽が出て、膨らませていった。
「桜?何か考えごとか?」
「へっ!? あ……少し昔のことを思い出していたのです」
「そうか」
信長は桜に微笑む。二人は昔のことを語り合う。幸せな日がずっと信じて疑わなかった。桜も信長も光秀の陰謀に気づかなかった。
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