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「あの、ずっと好きでした!私と付き合って下さい!」
放課後。
すっかり葉桜になってしまった桜の木々が連なる校舎裏へとゴミを捨てに来ると、どこからかそんな声が聞こえてきた。
え?まさかのマジ告白?
あちゃー。
バッドタイミングだったな。
姿は見えないけれど、この先の校舎の真裏にあるゴミ捨て場付近から声が聞こえてきた。
このままゴミを捨てに行くと鉢合わせしてしまうし…
仕方ない、出直そう。
そう思い、来た道を戻ろうと振り返ると聞き覚えのある声が聞こえて思わず足を止めてしまう。
「ごめん、俺、好きな人がいるから付き合えない」
うそ…
告られてるのって陸だったの?
ってか、好きな人いるとか初耳なんだけど…
声の主と発言に驚いてしまいその場に固まったまま動けずにいると後ろからこちらに向かって来る人の気配を感じて更に固まってしまう。
「…霞?何してるの?」
「いや、あの、ゴミを捨てに…」
仕方なく振り返って答えると陸は私が持っていたゴミ袋を見て納得したらしく「そっか」とだけ言って何故かその場から動こうとしない。
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