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「霞?」
見上げるとどアップの陸の顔。
ち…近い!!
「も、もし…断ったら?」
「え?んー、そうだなぁ…他の人に頼むよ。俺に興味なさそうな子にお願いしてみる」
な、何それ!
そんなに必要なの?偽彼女。
「陸に、興味なさそうな子って…」
「あー、ほら、俺の女友達って霞と沙奈しかいないからさ。沙奈には遼がいるからこんな事頼めないし…」
沙奈は私の親友で遼は沙奈の彼氏。
陸と沙奈と遼は小学校から大の仲良しで、私が中学の時に沙奈と仲良くなったのがきっかけで陸と遼とも友達になれた。
ああ、沙奈…
今すぐ沙奈に会いたい…
「俺も出来ればこんな事他の子には頼みたくないんだ…頼むよ霞!引き受けてくれるよな?」
「え?ええー…」
「な?いいよな?」
ちょ、ちょっと!?
どんどん顔が近くなってるんですけど!!
「わ、わかったよ!やる!やるからちょっと離れてー!」
耐えきれなくて思わずそう叫ぶと陸は離れるどころか更に一歩近付き掴んでいた腕から手を離すとその手を背中に回しギュッと私を抱きしめる。
「ちょっと、陸!?」
「良かったー!ありがとう、霞!」
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