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わ、わからない。
何がどうなってこんな事になってるのか。
固まったまま動けずにいると、それに気付いたらしい陸がそっと離れて言う。
「ごめん。まさか本当に引き受けてくれるとは思わなくて…嬉しくて、つい…」
つい?
ついって何すか!?
人の気も知らないで!!
「とにかく…やるって言ったからにはちゃんとやるから…もういい?私、ゴミ捨てに行かなくちゃいけないんだけど」
「あ、そっか、ごめん。じゃあそういう事でよろしくね、彼女さん?」
陸がイタズラに笑いながらそう言う。
彼女、ね…
「…うん」
そう言ってようやく目的のゴミ捨てをしに行こうと歩き出すがまたも陸に腕を掴まれ引き止められてしまう。
何なのよ、一体…
私は一刻も早くこの場を離れてさっさとゴミを捨てて沙奈に話を聞いてもらいたいのに!
「霞、このことは誰にも言わないでね?」
軽く陸を睨みつけているとそんな訳のわからない事を言われる。
「私が偽物の彼女だって事を誰にも言うなって?言う訳無いじゃないそんな…ってまさか沙奈や遼にも内緒なの?あの二人にも本当に付き合ってると思わせるの?」
「そういう事」
ニコッと笑いながら言う陸を見てどうかしてると心から思った。
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