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「何でそこまでしなくちゃいけないの?沙奈に話さずになんていられないよ…」
沙奈は私の親友で、勿論私の気持ちを知っている。
その沙奈に陸と付き合う事になったなんて言えない。
本当は違うのに…
失恋しちゃったのに…
陸には好きな子がいて、私は偽物なのに…
それを親友に黙っていて、それどころか嘘をついて騙そうとしてる。
そんな事、私には出来ない。
「霞、頼むよ。あの二人に信じてもらわなくちゃダメなんだよ…」
はぁ?
意味がわからな……
待って…
「…まさか、最初からそれが目的だったの?女の子を振る口実じゃなく、あの二人に恋人が出来たって思わせる事が目的?…陸の好きな子って…」
沙奈だったの?
陸は肯定も否定もしなかった。
だけど悲しげに揺れる瞳がそうだよって言ってた。
「霞…頼む…」
「…わかった…偽物って事は誰にも言わない…私たちだけの秘密だよ…」
だからお願い…
もうそんな顔しないでよ…
そんな、今にも泣き出してしまいそうな顔の陸を見ていたくないよ。
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