すっ飛ばしてみた←

7/9
前へ
/24ページ
次へ
噛みつくような勢いで唇を塞いだ。 優しく触れるだけのキスしかしたことがなかったのに。 驚いたのか脅えたのか、彼女は顔を背けて逃げようとする。 その髪に指を差し込んで、後ろ頭を押えつけた。 苦しくなったのか、小さな声とともに口が開いた。 その隙を逃さない。 舌先を滑り込ませた途端、彼女はまた少し暴れた。 構わずに先に進むと、ようやく彼女のそれと出会った。 脅えて縮こまった舌先を絡め取る。 彼女の乱れた呼吸と小さく漏れる声に煽られた。 もっと……このまま。 夢中でそうしている内に、抵抗をやめた彼女の手が、縋るように僕のシャツを握った。 我に返って唇を離す。 彼女の濡れた唇が光っていた。 上半身だけよじった無理な体勢から、力の抜けた彼女はそのまま僕の胸に崩れ落ちた。 「――すみません、乱暴にして」 まだ息があがったままの彼女が、弱々しく首を横に振った。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27人が本棚に入れています
本棚に追加