215人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
《茜・2言目の返信》
『僕も好きです』
その言葉に、ドキッとした。
っていっても、告られたわけではなくて。
『おでんの玉子がスキ』
例の伝言板に、さらに追加で書いた自分の言葉。
わたしの書いた返事に、当てられたそれを見て。
「玉子、スキなんだ・・・そっか」
『僕』
なんて。
ドキドキするかも。
緑色の小さな黒板に、白いチョークの文字。
でもわたしには、その伝言板からピンクのハートが溢れてくるのが見えた。
どんな人かな。
【根暗なニートとかじゃないの?】
テスト期間で早く帰って。
スマホのアプリの無料通話で、おしゃべりタイム。
友達の言葉に、頬をふくらます。
「いーじゃん、夢持ったって」
【夢見るヒマ無いよ。テストじゃん。受験生だし】
冷静な友人の言葉に、ガックリ項垂れる。
返事もそこそこに電話を切って。
テレビを見ようと、リビングに降りる。
テレビを見ながら、お勉強。
こんな時間は、ドラマの再放送。
『一度目は偶然、二度目は必然。三度目は・・・』
最初のコメントを投稿しよう!