第1章 俺、何かした?

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美雅side 「…あのー?」 いつまでたっても返事をかえしてくれず、 それどころか手に持っていた書類?を読み出して何か考え事をし始めてしまった。 ので、邪魔しちゃ悪いとは思ったが声を掛けさせてもらった。 「失礼しました、あなたの仰りたいことはわかりました。ですが―…」 声をかけたことで、気づいてもらえたようだ。 お帰りなさい副会長。 だが、続けられた言葉に再び俺は固まった。 「辞退することは出来ないんです」 「…………………はい?」 「ですから、辞退することは出来ません。 あなたは外部生なのでご存知なかったようですが、余程のことがない限りは出来ません。そういう決まりなんです」 えぇー…? ちょっっと待て、決まり? 入学する時に、あの人からこの学園に関することは大体聞いたけど… 例えば―、ここは小・中・高一貫の金持ちのご子息達が通う学校で、ここに入ると寮生活になること。 受験に来たときここの敷地の広さや、建物の豪華さに驚かされたな。今は慣れたけど。 そして、用がある時以外は外出は許されないこと。金持ちだと色々と危険なこともあるそうで。 そんな閉鎖的な空間に閉じ込められた彼らは…、その…、あれだ、恋愛対象が同性である男であること。
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