第1章 俺、何かした?

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「…帰りたい」 さっそく挫けそうです″アヤ″さん。 ――遡ること約1時間程前 「では、これより全校集会を始めます」 よく通る声が体育館に響き渡り、ざわついていた声も無くなる。 静かになったのを確認した彼は、またよく通る声で話し出す。 「本日集まって頂いたのは、皆さんもご存知のとおり今年度の生徒会役員が選出されましたので、そのお知らせです」 ここ、北条学園は生徒会をある方法で毎年選出する。 ―らしい。 らしいというのは、俺はその方法を知らないから。 この北条学園は小・中・高一貫の男子校で、俺は外部生だ。 色々と思うところがあって、ここを受験して、んで見事合格した。 ここに入学して2ヶ月になって、だいぶ慣れてきた頃、あるアンケート用紙が配られた。 その内容が、簡単に説明すると〈貴方が生徒会の役員にふさわしいと思う人を記入して下さい〉というものだった。 慣れたといっても、外部生の俺が把握できていることは少ない。 友人も出来たし、実はここには何人か知り合いもいる。 …が、どこぞの超人でもない俺がたった2ヶ月で高等部の生徒全員を覚えることなんざ出来るわけがない。 あ、でも俺ってば結構頭は良い方なんだよ? で、話しを戻すと、誰がいいかなんてわからない俺はとりあえず有名な現会長の名前を書いた。 それが、投票用紙だったことは後から友人に聞いた。
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