第5章 よろしい、ならば戦争だ

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「こ、紺野君?来てはいけないと言ったでしょうっ」 「紺野ですって?ようやく来ましたね、諸悪の根源が」 「は?」 同時に乙葉に静と呼ばれていた、確か柊先輩だっけ?から突如言われた言葉に挨拶も忘れて、疑問の声が出る。 「ですから変な言い掛かりは止めてくださいと言っているでしょう。紺野君は気にしなくていいですからね。体に障ってはいけませんし、どうぞこちらに座って下さい。お連れの方…も…」 『………』 戸惑っている俺に気を遣って座るように促してくれた藤堂先輩だが、一緒に来ていた右京さんには風紀の人達の影になっていて今気付いたらしく、誰かを把握した途端に言葉を途切れさせた。 そんな先輩を疑問に思ってか全員が此方を見て、同じように黙り込んでしまった。かと思いきや、 『…高宮 右京!?』 ずざっと後退りする。井頭はやっぱりいつもの無表情で動きはしなかったが。 「や、どーも。ってかそんなに驚かなくてもいいでしょ」 「な、何故貴様がここにいる!?」 そんなに衝撃的だったのか狼狽えている黄ノ江先輩を尻目に、俺をソファに座らせて、右京さんも横に座り片手を上げて挨拶をする。 「あんな意味深なメール寄越されたらね。マサは優しいから行くって聞かないし、心配だからついてきたんだ。ってか風紀の奴等にはあの時のお礼がまだだったね、来てよかったよ」 ニヤリと笑う右京さんに風紀の人達も顔を青くする。 何でこんなに引かれて笑ってるんですか、あなたは。 「右京さん、先輩達に何したんですか…」 「ん?別に大したことしてないよ?この人達の秘密を偶然知っちゃったものだから、それを使ってからかったくらいかな」 「……偶然、ですか?」 「そう、偶然」 嘘だ、と言いたい。でも何かを調べていた過程で本当に偶然知ってしまっただけなのかもしれない。故意にとも取れるしどうなんだろう。 「嘘をつくなっ、散々人を脅して好き放題やっておいて!どうせアレ以外にも知っているのだろうが!こっちはお陰で予測不可能な行動をとる貴様を見る度に落ち着かないんだぞ!!」 「えー?例えば会長が実は大の甘党で可愛いもの好きだとか、風紀の奴等がコンプレックスに悩んでてそれを桃里 乙葉に解消してもらって救われた気でいるけど、実は皆が気付いてて知らない振りをしてくれていたってこ「右京さん、ストップです」…ちぇ」
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