第1章

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「あたし、そんなに変ですか?」 と、女の子が聞いてきた。 いや。 そんな綺麗な瞳で、その答えを俺に求めないでくれ。 変だよ、なんて、小心者の俺には言う勇気がありません。 リアクションに困って、俺は固まった。 そして、女の子の胸に付けられた、やけに目立つ石に気づく。 どこかで見覚えがある。 血のように赤い、真紅色の石。 あまり宝石とかは詳しくないけど、ルビーに似ていた。 まぁ、こんな小さな子が、あんなでかい宝石をつけているはずはないんだけど。 ただ、その石の輝きと、よく似た輝きを、見たような気がする。 どこでだ? いつだ? 頭をフル回転させて考える。 「あっ!」 思わず声になって出る。 そうだよ。 あれだよ。 あれについていたんだよ!
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