第1章

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「もういいわ。見た場所まで案内なさい」 何だろう、この圧倒的な敗北感。 そして、その言葉のままに、俺は歩き始めた。 「こっち」 「ちょっと、もっとゆっくり歩いてよ!」 足の長さの違いゆえ、普通に歩いても、女の子は小走りになる。 とはいっても、俺の脚が特別長いわけでもないけど。 「あなた、彼女いないでしょ」 はっ? いきなりズバリと突っ込まれた俺は、言葉に詰まる。 「細かい気遣いができないと、女の子からはもてないわよ」 いやいやいや。 なんでこんな少女から、そんなレクチャー受けなきゃいけないの。 俺、人として終わってるかも。 がっくりと肩を落とし、とぼとぼとやってきたのは、あの小路。 「言っとくけど、見たのは3日前。しかも最後には消えた。  だから、あんまり意味ないかもしれないよ?」 「意味があるかないか、決めるのはあたしだ。黙って案内したらよい」 へいへい、そーですか。
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