ジェミニの恋

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これからの私は昼は事務、夜はお姉ちゃんのお店での生活が始まる。 時間が許す限り、メニューやお店のコンセプトを詰めていって、ちゃんと形にしていかないと。 でも、まずちゃんと報告しておきたい人がもう一人いた。 「そうなの?おめでとう、彩夏さん」 真琴さんが私の店の話を聞いて、両手を合わせて自分のことのように喜んでくれる。 つわりがひどい真琴さんは1月半ばから仕事も辞めていた。 寝込む日もあるから母と交代で様子を見に来ていたんけど、今は私がまだ両親とは和解できていないため、母と遭遇しないように真琴さんに事前に確認を取ると今日は来ないらしい。 「ありがとう。って言ってもまだ何もしてないんだけどね」 「ううん、ちゃんとビジョンを持ってやりたいことを目指すのはいいことだよ」 真琴さんの言葉に照れてしまって私は誤魔化すようにキッチンほうへと目を向けた。 「一応、ご飯作ったんだけど......」 キッチンを借りて晩御飯を作った。 味の濃いものは避けて、比較的さっぱりとした食べやすそうなものを作ったけど。 「食べられそう?」 聞いてみたけど、真琴さんはぐっと唇を噛んで黙る。 きっと、私の手前食べないとと思っているんだろうけど、それ以上に気分が優れないみたい。 「無理なら冷蔵庫入れておくから食べられそうな時に食べて。あ、りんごのコンポート作ってきたの。それならいけるかな」 家から作ってきたりんごのコンポート。 お店のデザートで使おうかと試作的に作ったものだけど、真琴さんも食べられるかなと思って持ってきたのだ。
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