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最初、真琴さんを見た時、すごく綺麗な人で正直驚いた。
兄貴が再婚するって話を聞いた時もびっくりしたけど、どこからこんな綺麗な女性を見つけてきたのかって思った。
俺は前に兄貴の結婚を駄目にしていたから、兄貴の再婚には少し心救われたところもあって。
ぶち壊したくせに、その後の兄貴の消沈した様子を見ていたらとんでもない罪悪感に苛まれた。
兄貴は仕事人間だったけど、ちゃんとめぐみさんのことを愛していたのに。
そこで、俺は何て事をしてしまったのかと後悔してももう遅い。
兄貴はすぐにアメリカに赴任で発ってしまったから懺悔する機会も失って、そうして四年も経ってしまった。
それが、帰ってきてそう時間も経たないうちに結婚したい相手ができたって親伝いに聞いた時は、これで兄貴も幸せになってくれれば俺の罪もなくなるのかななんて自分勝手に思っていた。
それが、真琴さんを見た瞬間に心奪われている自分がいて。
またしても兄嫁を好きになる自分に反吐が出た。
どこまでも俺は兄貴とぶつかる運命らしい。
だけど、兄貴から奪うなんてできるわけないから、俺は彼女と極力接しないようにしようと思った。
深く知りさえしなければ、ただの義理の姉として付き合える。
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