2881人が本棚に入れています
本棚に追加
/230ページ
鳥居 正臣(とりい まさおみ)。
僕の特徴というか、よく言われる言葉は『薄情』。
浅い付き合いならまだそこまで言われない。
だけど、付き合った女や友人からは必ず「薄情だ」とか「裏切り者」だとかそういう類いの単語が発せられる。
確かに自分に被害が及びそうな時は真っ先にその人物と手を切るし、必要なら相手を平気で売る。
答えは単純明快。
僕は誰も信用していないから。
だから躊躇なく、『必要』か『不必要』かを判断できる。
迷いがない分、他人より早く裏切れるからみんな僕を『薄情』だと言う。
でも、そもそも信用していない人間から罵られようと痛くも痒くもないから放置するだけだ。
僕は一番自分の身が可愛い。
自分に降りかかる火の粉は遠慮なく払う。
それが隣に燃え移ってしまったとしても、それは仕方ない。
だって、みんなだって自分が一番可愛いだろ。
それを先に裏切ったからって責められるのはお門違いだと思うんだけど。
きっと、自分が僕の立場に立った時、多少の迷いはあったとしても同じことをしているはずだし。
一言弁解させてもらえるなら、それくらいかな。
って言うと、朝比奈にドン引きされた。
最初のコメントを投稿しよう!