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一時期、仲が危ぶまれた二人だったけどそれからは睦まじく過ごしているようで安心だ。
冬吾くんもなぁ、雪弥まではいかなくても喜んでくれたらいいのにさぁ。
悶々としてはいけないと思いつつも、つい鬱になってしまう。
私に興味がなくなってきたとか?
でも、「愛してる」ってしつこいくらい言ってくるし。
毎日、抱き締めてくれるし。
それがもう飽きがきてしまったのかとか、考えても本人しかわからないのだけどそういう悪い想念がずっと巡っている。
昨日はショックのあまり聞けなかったから、今日はちゃんとどういう気持ちなのか聞こう。
擦れ違ったままではお腹の赤ちゃんにもよくない。
そう決心して、彩夏の料理を批評することに集中した。
「私、ちょっとトイレ」
一通りデザートまで試食を終えて、私は席を立った。
つわりらしい症状はまだ現れていない。
だから検査薬を使っても疑心暗鬼で、産婦人科に行って確認するまでは喜べなくて。
妊娠はしていたけど、まだ安心できない。
過去に流産経験もあるから余計に慎重になる。
だから、真琴ちゃんが言うとおりあまりストレスになるようなことは避けないと。
トイレで手を洗いながら悶々と考えていると、彩夏が「お姉ちゃん!」とノックもなしにドアを開いた。
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